マレーシアにはインターナショナルスクールが140校ほどあります。インターの種類も多いのですが、主に5つの種類に分けられます。それぞれの特色をざっと表にしてみました。
カリキュラム | 学年構成 | 卒業資格・進路 | 成績評価 |
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イギリス式 | ●Primary School (小学部、6年間) ●Secondary School (中高等部、5年間) ●A-Level (大学準備課程、1.5-2.0年間) | 11年生終了時にIGCSE (通称O-レベル)という 共通卒業試験があり、その結果次第で、更に上級コースである A-レベルという1.5−2.0年間の 大学準備課程へ進む。 Aレベルを取得せずに大学内の ファンデーションコース (基礎課程 1年)やディプロ マコース(2年)へ進学する 選択肢もある。 | 基本的に IGCSEのスコア。 |
カナダ式 | ●Elementary School(小等部、6年) ●Middle School (中等部、2年間) ●High School (高等部、4年間) | 所定の単位を取得し カナダオンタリオ州の 英語テストに合格すれば、 オンタリオ州セカンダリー スクールディプロマ(OSSD) と呼ばれる卒業資格が付与される。 | 基本的にコースワーク (平常点)と期末試験が 7:3の割合で総合判定され、 普段真面目に授業に 取り組んでいれば、 ある程度の点数が取れる。 |
オーストリア式 | ●Junior School (小学部、6年間または5年間) ●Middle School (中等部、3年間) ●Senior School (高等部、3年間または4年間) | 最終年度に各州による 卒業試験があり、 そこでのスコアがATARと 呼ばれる豪州統合スコアに 換算され、世界の大学への 出願スコアとなる。 | 基本的にコース ワーク(平常点) と期末テストを 50:50に評価し 総合判定。 |
アメリカ式 | ●Elementary School (小学部、5年間) ●Middle School (中等部、3年間) ●High School (高等部、4年間) | 規定の単位数を取得すれば、 基本的に高校卒業資格である ハイスクールディプロマが 取得できる。 学校によっては 最終2年間に更に 上級コースのAP (Advanced Placement) やIBディプロマコース を提供している学校もある。 | コースワーク (平常点)を 主として期末試験 との総合で判定される。 |
国際バカロレア (インターナショナル・バカロレア=IB) | ●PYP-Primary Years Programme (初等教育プログラム、6年間) ●MYP-Middle Years Programme (中等教育プログラム、5年間) ●DP-Diploma Programme (ディプロマ資格プログラム、2年間) | 最終的な大学受験 資格である 「IBディプロマ」 を取得すれば、 世界のほとんどの 有名大学の受験資格が得られる。 | 基本的に IBのスコア。 |
元々イギリス領だったマレーシアは、イギリス式が全体の70%と、ほとんどです。イギリス式の学校はYear11になると、IGCSEというInterntional General Certificate of Secondary Educationの略称で、一般中等教育終了試験です。IGCSEは、イギリスの義務教育課程修了にあたる中等教育修了試験の国際版で、GCSEと同等の資格とされています。IGCSEの大きな特徴は、アクティブラーニングを多く取り入れた勉強、さらに自分の得意分野に特化した勉強を行う事が出来ます。また、IGCSEは選択できる科目の幅がすごく広く、約70科目の中から学校のガイドラインに沿って好きなコースを受ける事が可能になっています。コアサブジェクトと呼ばれる「英語・数学・科学」は必須です。
IGCSEは日本でいう、中学卒業以上、高校卒業未満くらいの学力の国際的資格試験、といった感じです。ですので、IGCSEの成績だけで日本の大学に入学する事は出来ません。A-LevelかIBディプロマ、もしくはIGCSE対応の海外大学のファンデーションコースへ入学する、と言った進路になります。ですが、IGCSEの成績がその後の人生の選択に大きく関わってくるので、とても重要なテストです。
大学までの道のりは以下の通りです。
【日本】
小学校(6年)→中学校(3年)→高校(3年)→大学
【イギリス式】
Primary(6年)→Lower Secondary(3年)→Upper Secondary(2年)→Foundation(大学準備コース1年)/pre-University(2年)、or A-Level(1.5~2年)→大学
子供達の通っている学校では、Upper Secondary(Year11)の後、IGCSEを受け、その後Year12,13(Sixformとも呼ばれます)でA-Levelというテストのために猛勉強します。因みにIGCSEの結果が良く、A-Levelを好成績で取れる学力のある有志の生徒は残れますが、その他は別の学校へ転校というシステムです。(A-Levelについてはまた別の記事で書こうと思っています)ですが、他の学校でA-Levelを取る事も可能ですし、そもそもA-Levelを取らなくても大学には行ける、学費も他校の方が安いため、学力に関わらず多くの生徒が他校へ転校してしまうようです。そのため、子供達の学校では、Year13は学費無料キャンペーンを実施中…。色々あからさまな感じです。
このIGCSEですが、ただまじめに学校へ行っていれば中学卒業資格が取れる日本の中学と違って、パスしなければ取れない資格になります。卒業後の進学の際、学歴を証明する時に必要な資格になりますので、ほとんどの生徒が受験します。海外で就職する際にも必要になる資格です。
因みにさくらは日本では中2(14歳)でマレーシアに来ましたが、さくらの年齢だとYear10に入ることになります。ですが、いきなりYear10に入学して次の年でIGCSEを受けるのはかなり大変なので、あえて1学年下げて入学しました。学習の習熟度に応じて学年を決める事は、海外の学校やインターでは割とあります。
ボーディングスクールも沢山あるため、子供の単身留学、母子留学、家族で教育移住する人がとても多い印象です。駐在の家族もいますが、日本人学校という選択肢もあるため、全員がインターという訳ではありません。実際、子供達の通っているインターにも母子留学率は結構高めです。幼稚園や低学年のうちはまだ語学力もそこまで大変ではなく、子供同士も比較的仲良くなりやすい印象ですが、思春期に入る小学校高学年から中学生になると、なかなか難しい局面が多くなります。
まず、英語の面ですが、小学校高学年からは結構難しくなってきます。日本語でもそうですが、能力の差も大きくなりがちで、語学習得の得手不得手も影響してくると思います。我が子達はさくらが小学3年生、すみれが小学1年生でアメリカから帰国、その後約6年間のブランクがあってからのインターだったので、当然大きな負荷がかかりました。日本に居た6年間、一応公文の英語とオンラインの英会話を週2で続けてきましたが、それでもネイティブにはほど遠く、今もかなり苦労しています。とはいえ、EAL(英語が母国語ではない生徒のための補習教室)には入らなくていいという学校の判断でEALには入っていません。でもそうなると、他言語(中国語・スペイン語)も取らなければならず、英語の授業はネイティブと同じか少し下のクラスで、毎日英語で必死なのに、他の言語も勉強しなくてはならない、というとてつもなく大変な状況になってしまいました。なので、他言語は適当でいいよ~と言っているのですが、まじめな日本人気質の我が子達は頑張ってしまいます。幸い、中国語は漢字から推測できる事が多いので、日本人は他国の学生より理解が早いようです。中国語の授業は唯一自分達が優位に立てるので、これが結構子供達の支えになっています。
さらに、女子の場合、女子特融の「グループ」が出来上がっており、その中に途中から入り込む事は、これまたなかなか大変です。そしてインター特有の「グループワーク」が授業で頻繁にあり、これもディスカッションしたり、やる気のある子とない子で揉めたり、色々ぶつかる局面が多いものです。
少し救いなのは、日本の数学は他国の同学年の2年先を勉強しているという事もあり、計算問題は簡単なのですが、文章問題になると、英語で引っ掛かってしまい、正答率が下がります。また、日本語と英語で表記の違い、言い方の違いがあり、慣れないうちはここでも引っ掛かってしまいました。
その上、Year9のさくらは、もうすぐYear10になるのでIGCSEの科目選択もしなければなりません。将来行きたい大学、学部、なりたい職業などから逆算して科目を選択するのですが、まだ14歳の子たちにそんな事を決めさせるのは、ちと早いと思うんです。でも、イギリス式はそういうカリキュラムなので、さくらもかなり悩んでいました。何度か先生に言って選択科目を変えてもらったりしています。う~ん。
思春期以降からの海外インターは中々きついものがあります。ですが、それを乗り越えた時にはきっと何にも変え難い素晴らしい経験と能力を得ているはず…と思い日々見送っています。
大変だけど、頑張っている子供達は、本当にすごいと思います。自分だったらどうしていただろう…と思うと、泣けてきます。インターで勉強できるなんて恵まれている、とか、海外に居たら自然に英語が話せるようになってラッキーとか、そんなんじゃないんです。本当、相当努力してストレス抱えて頑張っているので、「棚ぼた」ではないんですよね。学校行ってくれるだけでもありがたいと思っています。
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